ある高校のブラスバンド部の風景。
あるイベントで野球部の試合を応援する際の演奏曲を披露していた。
男女混じって楽しそうな演奏風景に、僕は目を奪われた。
あんなふうに楽しく高校生活をエンジョイできたら良かったな。
なんともオジサンチックな感想。
同じく僕が思い出すのは夏の甲子園の地区予選。母校の応援団に選ばれて
必死に応援したこと。
僕の学校は男子高。
通学は私服が許された自由な雰囲気だったが、応援団は黒のガクランを着用し、白手袋をつける。
応援団長は中央に立ち、派手な演舞を踊る。
副団長は下駄ばきで、袴スタイル。 見るからに気合が違う。
大きな団旗を掲げるのは影の力持ち。
試合の流れに合わせて、声を出し続ける。
真夏の応援スタンドはさすがに暑い。
スポーツにはあまり関心が無い学校なので、応援席もまばら。
今、見ているブラスバンドとは全く違う世界。
試合も終盤が近づき、疲れもピークに達したとき、後ろから冷たい水しぶきが降ってきた。
振り返ると、知らない学校の女子高生から応援の水かけ。
決して、うるさくて水をかけたのではありません。
後から聞くと、彼女たちは団長の友達らしい。
さすが、団長はかっこいい。 僕ら下級生とは格が違います。
やっぱり自分があこがれる世界とはちょっと違うかな、と思い応援団は1年で退部。
でも、あの強烈な世界感は今でも鮮明に覚えています。