ラジカセのある風景

7月となり、今年も半分が過ぎてお盆がやってきた。お寺で見つけたのは昔懐かしの四角で大きなカセットデッキ。年代物だが、その当時ハイスペックを誇ったであろう堂々した風格を僕に見せつける。直径10cmはありそうなメインスピーカーと高音スピーカーを配備した4way stereo system、FM用のアンテナを2本装備。上面にはイコライザーとみられる調節ツマミがズラッと並ぶ。最高級と呼ぶにふさわしい装いに僕の胸は熱くなった。中学の頃、音楽に目覚めた僕は休日となると朝からラジオの前で、歌謡曲や洋楽のヒットチャートを追いかけていた。大好きな音楽をできるだけノイズの少ない良い音で録音したい。近くの電気屋さんが家に置いていったオーディオのカタログを見てはそのカッコよさに熱くなっていた。カセットテープに自分の好きな曲を録音できるだけてすごく画期的な出来事だったけど、今日のようなデジタル社会が訪れるなんて想像もできなかった。そんな年代物のラジカセは今も現役で、住職がお経を読む際のマイク拡声器として使われていた。自分の部屋にぜひ置いてみたい。ふと気付けば僕はお経の最中ついウトウトしながら、昔、夢中でラジオに耳を傾けていた自分を思い出していた。(終わり)